【登場人物】
でんりょクラゲ:でんりょクラゲ。停電についてはあまり知らない
でんりょクラゲ父:停電についてもスゴく詳しい、クラゲ
電太くん:電力自由化に伴う停電が恐い少年
今回の目次
電力自由化に伴う心配事・・停電とか!
電力自由化で色々な会社から電気を買うことができるというのは分かったけど…
ん?何か心配なことがあるのかい?
今とは別の会社に電力会社を変えたら停電とか増えたりしないの?
そういえばそうだね、電力会社が倒産したら電気来なくなっちゃうかもね!!
はっはっは、なーんだそんなこと心配していたんだ。いやいや失敬、心配するのももっともだね。電気が来なくなったら大変だもんね。
うん、だから大きな電力会社から買っていた方が安心じゃないかと思うんだ…
心配ご無用!!どの電力会社の電気を使っても今と同じ質の電気が使えるんだよ!!
…良くわかんない。
父さん、詳しく教えて
電気の質が変わらない理由
良し分かった、それじゃ電太くんに聞くけど今使っている電気はどこの会社の電気だい?
関西電力だよ。
ほお、それはどうして分かるんだい?
だって毎月関西電力から「電気使用量のお知らせ」という紙が届くから…
(ニヤッ)、ひょっとして検針票は関西電力だけど、実は別の電力会社の電気が来ていたりして…
やめてよ!!それじゃ産地偽装じゃん!!
父さん、そんなことあるの?
脅かしてしまったかな、でも実はそうなんだよ。
ええー!!
それでは詳しく話そうね、電気自体は目に見えないし、音も臭いも味もしないよね。
いや、電線舐めたら死んじゃうね。(はははっ)
だから、使っている側から見たらそもそも電気が来かどうかは、電力メーターの値の動きか電化製品が動作しているかどうかでしかわからないんだよ。
そういえば電力をどれだけ使っているかは電力メーターの円盤の回転の速さで分かるね。
発電所から送電線へ!電気は一度まとめられる
うんそうだね、それじゃ聞くけど電気の質を決める3要素は何だい?
そんなの常識! 電圧・電流・周波数だよ。
良く知ってるね。
僕知らなかった…
他にも力率や高調波とか色々あるけど、基本この3つが同じなら家庭で使っている電気はどこの発電所の電気でも大丈夫なんだよ。
じゃあ電太くんに質問だけど、お家に太陽光発電はあるかい?
うん、去年お父さんが屋根に取り付けたよ。
その太陽光パネルで作った電気はどこで使っているのかな?
お家で使っているんじゃないの?
そう大部分は電太くんの家で使っているのだけど、電太くんのお家で使いきれなかった電気は電力会社に売っているんだよ。
知ってる、売電っていうんだよね。
そうだね、その売った電気はどこで使っているのだろうね。
そういえば考えたことなかった…
隣の家かもしれないし、そのまた隣かもしれないし、あるいはもっと遠くの家かもしれないね。
私が言いたいのは、発電設備で発電した電気は一旦送電線に乗ってしまうと、もぅどこの発電所で出来た電気か分からなくなってしまうということだよ。
それじゃあ電力会社を変えても使っている電気は今までと同じということ?
勘がいいね。そうなんだよ、電気を川の流れに例えると分かりやすいよ。
色々な小川の水が合流して大きな川になって下流に流れてしまうと、もうどこの小川の水か分からなくなるように、電気も色々な発電所の電気が送電網で一緒になって、それぞれの家庭(需要家)に届けられるから、電力会社を変えても届く電気に変わりは無いんだよ。
ふーん、僕はてっきり電力会社を変えると別の電線で引っ張って来るのかと思ってた。
電気の質を決める3要素が同じであれば大丈夫
電力自由化になっても、各電力会社はそっくりそのまま今の送電網を使い続けるんだよ。
ただし、送電線で電気を送るのには絶対守らないといけないルールがある。それがさっきでんりょくらげが答えた電圧・電流・周波数なんだ。
どういうこと?
この3つのうち電圧と周波数が違う電気が送電線に入ると送電線の電気の流れが乱れて、電化製品が壊れてしまうかもしれないし、最悪まち全体が停電を起こしてしまう可能性もあるんだ。
だから送電線に接続する発電所が送る電気の電圧、周波数は厳密に決められているんだ。ここのところは高速道路を走る自動車が制限速度を守るのに似ているね。
じゃあ逆にそれさえ守っていればどの会社の発電所の電気を使っているか関係ないということ?
ピンポーン!
なーんだ、じゃあ電力会社を変えても今と変わらないんだね。
まとめ:最終保証供給もあるし、停電なんてまぁない!
もう一つの要素の電流に関係するんだけど、各電力会社は自分たちの顧客が使う電力を過不足なく供給する義務があるんだ。
つまり、その瞬間瞬間にお客さんが使う電力の分だけの電気をきっちり発電して送電網に流す必要があるんだ。この量を間違えると電圧や周波数が変わってしまうからね。
そしてもう一つのミソなんだけど、もし万が一発電所が壊れたりして電気を送電網に送れなくなった場合、あるいは電力会社が倒産して発電しなくなった場合、足りない電気は今までの電力会社、つまり関西電力が代わりに発電して電気を送ってくれるんだよ。
これを最終保障供給と言うんだ。だから停電が増えることも無いんだ。
それじゃあ電力会社を変えることには問題ナッシングだね!!
電力の供給地域だったり契約内容なんかは確かめる必要があるけれど、電気の品質についていえば電力会社を変えることに何の心配もないから安心していいよ。
うん、じゃあ早速色々な電力会社を探してみるよ!!