[登場人物]
でんりょクラゲ:スマート契約について詳しいクラゲ
でんりょクラゲ父:スマート契約をこよなく愛するクラゲ
電太くん:スマート契約?なにそれ美味しいの??
今回の目次
電気代の歴史が変わる!東京電力が『スマート契約』を開始
へぇ〜。東京電力で『スマート契約』ってのが始まるんだ。
きっとお得なんだろうな・・。
おっ電太くん。テレビで何見てるの?
▶︎▶︎参考記事:でんりょクラゲと少年の出会いを知りたい方はコチラ
おっ、でんりょクラゲじゃないか。
いやー。ちょっとニュースを見てるんだけどね、東京電力が『スマート契約』ってのを始めるらしいんだ。でんりょクラゲの星では既にあるものなのかい?
そうだね。僕らの星でも同じような仕組みの契約があるよ。地球でもやっとこさ電力自由化に伴い『スマート契約』を始めたみたいだね。
ただ、この契約自体、実はそこまで新しいものではないんだ。っていうのも法人に向けて既に実施されているからね。変わったのは法人限定だったものが普通の一般家庭にも適用されるようになったということかな。
そうなんだ。既に法人向けにそういった契約があったんだね。
それで、一体スマート契約ってのは何なんだい?
スマート契約とは
おっ!呼んだかな?
では、ここからはスマート契約の内容と従来との違いについて解説しようね。
スマート契約というのは簡単に言えば、使えば使った分だけ支払いましょうね!というものだ。
・・・ほえ?そんなの当たり前じゃないか。
そもそも何故使っていないものまで払わなくちゃいけないの?
いやいや落ち着いて、電太くん。
そもそも今の電気代の仕組みを知ってるかな?どのようにして電気代が決まるかって話だよ。
だから・・。使った分だけ支払っているんじゃないの?
それが従来の電気代は、そんな単調な仕組みではないんだ。
今の電気代は大きく分けて『基本料金』と『電力量料金』で決まる。ここにプラスで再生可能エネルギー賦課金などが加わるんだけど、それは今は置いておこう。
大まかに分けて上の2つということね。もしも、もっと詳しく従来の電気代の仕組みが知りたいという方は下記の記事を見てみよう。
▶︎▶︎参考記事:知ると節約上手に?君は電気代が決まる仕組みを知ってるか!?
そして、この『基本料金』の部分がスマート契約によって大幅に変更することになるんだ。そもそも基本料金というのは定額の料金というものだよ。
つまり、どれだけ多く使っても逆に少なく使っていても同じだけの料金が引かれるんだ。
[東京電力:従来までの基本料金]
*従来までの基本料金は契約時のアンペア数によって決まるんだ。例えば、30Aで契約すればそこからずっと842.40円が全く電気を使わなくとも掛かってくる。
そこにプラスで従量制の電力量料金を足すってことだね。
え?それだったらたくさん使った方がお得ってわけかい?
そうだね。基本料金のみで考えた場合、定額だからもちろん多く使った方がお得と言える。けどね、電気代は基本料金にプラスで電力量料金という従量制のものが合算されるんだ。
この電力量料金は使えば使った分だけ多くなる仕組みになるから、結局は多く使えば多く支払うことになるってことだね。
ふんふん。
つまり従来の基本料金の考え方は「最低支払い額」みたいなものか。全く使わなかったとしても絶対に払わなければならないってお金ってわけだ。
うん、その通り!
しかし、それがスマート契約によって基本料金という考え方が無くなることになるって話だよ。
スマート契約の場合、従来までのように定額で支払わなければならない料金が決まっていない。その分、その月と過去11ヵ月分の電力量を見直し、そこから支払うべき料金を決定するんだ。
スマート契約のメリット
従来までの、契約時に決まった金額を支払う基本料金との違いは分かるんだけど。
まだ少し難しいなぁ・・。それって電力量料金とどう違うの?
電力量料金の場合、その月に使った分の電力量から電気代(電力量料金)が決まる。
上記が東京電力の電力量料金だよ。例えば、180kWh使えば180×26円の4680円ってわけさ。
でも、スマート契約の場合はそうではなく。その月と過去11ヵ月の電力量の中で最も瞬間的に電気を使った月(そういうのをピーク電力という)を参考に電気代が決まるんだ。
これがスマート契約の参考値なんだけどわかるかな?
2kWってことは2000Wってことだよね?
ってことは2000W÷100V(普通の家庭はどこも100V)で20Aってことか。
そう!まさにそういうことだ。
そして東京電力のプレミアムプランの場合だと、1kWあたり468円となっているよ。
では、実際に12月の電気料金を計算してみよう。
過去11ヵ月とその月で一番電力を使っているのはどの月かな?(30分ごとにピーク電力を算出、一番高い値をその月のピーク電力とする)
10月の5kWだね。その他は2〜3kWが多いみたい。
そうだね。だから12月の電気代(従来の基本料金)は10月の5kWを想定して電気代が計算されるんだ。
つまり、468円×5kWの2340円ということになるね。
ふーん・・・・。
っで、これって何が得なの?逆に損してない??だってこの例でいくと、この人はだいたい月に多くて4kWの電力を使っているよね?
だから従来の40Aでの契約にしておけばよくない?それだと1123円なんでしょ?
確かにそういった見方もある。
ただ、10月に関して言えば4kWを超えているので、従来までのブレーカー契約だとブレーカーが落ちていることがわかるよね?
そういった『ブレーカーが落ちる』という現象が無くなるのが、スマート契約なんだ。これは大きなメリットだと思わないかい?
あ〜。たしかに・・。
で、でも料金が高くなるのはやっぱりおかしいよ!
そうじゃないんだ。電太くん。
この例は説明しやすいように少し極端な形にしたけど、本来こんなにも一度に使う電力量が上下に激しい人はいないんだ。せいぜい1kWの差だと思ってほしい。
また、従来のようにどれだけ使っても基本料金部分が変わらないとすると節約思考が薄れるよね。でも、スマート契約の場合はどうだろうか。
一度に使い過ぎると、そこから12ヵ月間料金が上がることを知っていれば使い方を工夫するんじゃないだろうか?
今まで固定的に引かれていた金額を使い方によっては安くすることができると考えれば、これほどのメリットはないと思わないかい?電太くん。
おぉ・・。さすがっす。
じゃあスマート契約にすることのデメリットはないの?
スマート契約のデメリット
デメリットは簡単だよ。さっきのお父さんの例で説明すると、1ヵ月間だけでも気を抜いて一度に使う電力が増えれば、その月から1年間は料金が高くなってしまうという点だ。
つまり、従来よりかは少し気をつける部分が増えたのかもしれないね。
ん〜。そうなのか。
っで、結局スマート契約にすることで電気代は安くなるものなのかい?
そうだね。だいたいの人が契約A数よりも電気を使っていないことからして、今までと同じように普通の使い方をしていれば必ず安くなるよ。
だよね?お父さん!
そうだね。特に複数人で生活をしているところなど。普段、一般家庭よりも電気代が高いと思われるところほど、その効果は高くなるよ。
それじゃあ、僕の家にもってこいじゃないか!今すぐスマート契約だぁ!!
スマート契約にはスマートメーター
っと思ったんだけど、そもそもどうやってスマート契約に移行できるんだろう?
スマート契約にするためにはスマートメーターを取り付ける必要があるんだけど、電太くんの家はスマートメーターかな?
▶︎▶︎参考記事:スマートメーターとは?これで何が変わるの?
たぶん、違うと思うなぁ・・。
そうか。どちらにせよ、電話一本すれば対応してくれるよ。ただ、その会社がスマート契約に対応しているかが重要だね。
あっそっか。スマート契約って東電だけのものだっけ?
僕は関西電力だから、もしかしてできないの?
いやいや、違うよ。
スマート契約を始めたのは東電だけど、関西電力でも既にスマート契約を導入しているから大丈夫だ!(料金等は変わる)ただ、名前が少し変わっているかな。
スマート契約は上手く使うことで電気代を安くできる
スマート契約がどれだけスマートなものか分かったかい?電太くん!
う、うん。そうだね・・。(スマートなものって何だよww)
電力自由化は電力会社の競争を促し、消費者が払う電気代を少なくするために導入されたんだ。そのための第一歩がスマート契約なのかもしれないね。
僕も改めてスマート契約を勉強できたよ。ありがとうお父さん!
そうだな。スマートなお父さんでよかっただろ?君たち!
・・・。完