[登場人物]
でんりょクラゲ:節電がちょっと面倒くさいクラゲ
でんりょクラゲ父:節電をとても大切にしているクラゲ
電太くん:旅行に行きたくてたまらない男の子
今回の目次
電気代節約の術を伝授
あーあ、僕もどこか旅行に行きたいなぁ……
やぁ電太くん!どうしたんだい?浮かない顔して。
何か相談があるんだったら僕に何でも言ってよ!
でんりょクラゲ……実はね、学校の友だちがこの前家族で海外旅行に行ったらしいんだ。
それで僕もお母さんにお願いしてみたんだけど、うちにはお金がないからダメだって、断られたんだよ。僕はまだ小学生だからお金を稼ぐこともできないし、諦めるしかないのかなぁ。
そっかぁ、確かに電太くんはお金を稼ぐことはできないねぇ。だけど、お金を貯めるために、節約することならできるんじゃないかな?
よし、じゃあ今回は家計を助ける節約術を教えよう。
電気代は工夫することでかなりの節約が可能になるんだよ。その分浮いたお金で旅行に連れて行ってもらえるかもしれないよ!
今回は一般的に知られている節約(節電)術をおさらいしようか。
節約して、浮いたお金で旅行か、それなら僕にもできそうだね!
まずは電力契約を見直そう
契約を見直すことで、月々の電気代が大幅に安くなる場合がある。
これはさすがに電太くんだけではできないけど、お母さんやお父さんに行ったら契約を変えることができるから、よく聞いておいてね。
お得なプランを選ぼう
まず存在自体知らない方も多いんだけど、生活スタイルや、電気を使う時間帯によって電気料金が割引されるプランがあるんだ。
例えば東京電力エナジーパートナーの『おトクなナイト8』のように、夜間の電気料金が昼間の半額近い値段になるプランもあれば、『電化上手』のように、オール電化の家庭がお得になるプランなんてのもあるんだよ。
そんなプランがたくさんあったなんて初めて知ったよ。
多くのご家庭で、西日本(九州を除く)では『従量電灯A』、東日本では『従量電灯B』を契約しているんだけど、昼間はずっと家を空けているご家庭や、決まった時間にしか電気を使わないご家庭、オール電化のご家庭なんかは別のプランを選んだほうがお得になることもあるんだ。
ただ、加入に条件があったり、場合によっては今より高くなってしまう可能性もあるから、各電力会社のプランをよく調べてみてね。
もしかしたら新規参入の電力会社なんかでもお得なプランが見つかるかもしれないよ。
契約アンペア数は本当に適正かな?
次に、契約のアンペア数をチェンジする方法だよ。(アンペア数によって基本料金が決まる)
つまり電気代の「基本料金」を安くしてしまおうということだ。そのためには、家電製品がそれぞれどのくらいのアンペア数を使っているのかを把握しなくてはならないぞ。
僕知っているよ。例えば電子レンジは15A、ドライヤーは12Aだよね。
少し勉強したことあるもーん!
すごいね。確かにそれくらいだね。
でね、解説をする前に少し。そもそもブレーカーが落ちる仕組みを知っているかい?
ん〜。電気の使い過ぎってことくらいかな。
そうだね、確かに使い過ぎで起こりうることなんだけど、これは『瞬間的にどれだけの電気を使ったか』ということなんだ。
ふむふむ。
例えば、私のおうちでは冬場にエアコン、こたつ、レンジを同時に使っている時に、さらにドライヤーまで使おうとするとブレーカーが落ちてしまう。
ただし、同時に使わないようにしたらブレーカーは落ちないんだ。
ほー、そういうことか。
でもその"落ちる基準"ってのは何なの?それが分からないと、どれくらいの家電なら同時に使ってもいいのか分からないよ・・。
言うと思った。笑
電太くん、これが電力会社と始めに契約するアンペア数なんだよ。この始めに契約するアンペア数よりも超えてしまうと『コラ!電気の使い過ぎだぞ!』ってブレーカーが落ちる仕組みなんだね。
おぉ!分かり過ぎるよ。はははっ
つまり、アンペア数を高く契約することで、同時に使える家電は増えるけど、基本料金が高くなるってことか。
そう。だから逆に家族間にて「少しレンジ使うよ」とか、「ちょっとエアコン切って、ドライヤー使うから」とか言って確認し合い、同時に使うことを避ければアンペア数(基本料金)を下げることができるよね。
どうだい?電太くんの家もできそうかい?
そういうことね。僕の家は仲がいいから大丈夫さっ!
だったら、一年間で一番たくさん電気を使う時期に、同時に絶対必要なアンペア数を考えてみたらどうだい?
それが今の契約アンペア数より低ければ、契約を見直してみてもいいかもしれないね。
家電の使い方を見直そう
契約を見直す以外にも電気代を抑える方法はいくらでもある。これは電太くんが今日からでもできることだから、さっそく実践してみてね。
待機消費電力を甘く見るな!
まず試してもらいたいのが、待機消費電力を節約するという方法だ。
電気代を節約しようと考えた時にまず最初に削れるのがこの待機電力。ただコンセントを抜くだけで良いから簡単で、誰にでもできるからね。
そこで問題なんだけど、電気代全体に対して待機電力はどのくらいかかっていると思う?
待機消費電力って、その電化製品を使ってはいないけど、コンセントが付いているからかかっているお金のことだよね?そりゃ、使ってないんだから全然安いはずだし、全体の3%くらいかな!
一月の電気代が10,000円だとしたら、300円くらいじゃない?
ふふーん、電太くんは待機消費電力を甘く見てるね。
僕は知ってるよ、実電気代の10%が待機消費電力なんだよね!
えぇー!じゃあ一月の電気代が10,000円だったら、1,000円分は使ってないのにかかっているお金なの!?
その通り!だから工夫をすれば一年でもずいぶんなお金が節約できるね。
待機電力を抑えるために簡単な方法はスイッチ付きのコンセントを使うことだ。スイッチを切っておくだけでいいから、コンセントを引き抜くよりも楽だろ?
次にあまり使っていない部屋のブレーカーをオフにしておくことだね。
例えば1泊2日の旅行があったときでさえ、ブレーカーを全部切って外出するといいと思うよ。仕事に行く前に戸締りと一緒にスイッチを消すことを忘れないようにしよう。
ただ、冷蔵庫みたいに、ずっとつけておかないといけないスイッチまで切っちゃうと大変だから、そこは気を付けるんだぞ。
かしこく家電を使おう
簡単なこと。かしこく家電を使いこなすだけで十分節約が可能なんだ。
ただ、ちょっとばかし面倒くさいから我慢してね。
大丈夫!面倒くさがらずにちゃーんと節約するよ!
よし!じゃあまず家電ごとの消費電力を把握しておこう。
電太くんは家電製品で一番お金がかかるのは何か知っているかな?
うーん、わかんないけど、お母さんが一番怒るのはエアコンをつけっぱなしにしてる時かなぁ。
うん、電太くんの言う通り、エアコンを使っているときが一番だね。
特に、外気の温度を利用するっていうエアコンの性質上、冷房を使っている時が一番電気代が掛かるんだ。次に暖房、冷蔵庫、照明器具、そしてテレビの順で電気料金がかかると言われているね。
もちろん各家庭の家電の使い方にもよるけど、多くの家庭ではこの順番になっているよ。
あれ?電子レンジやドライヤーはアンペアがすごく必要なんじゃなかったっけ?
確かに、その二つはワット数は高いんだけど、つけっぱなしにはしないよね?
使うのは数分だけだから、結果的に月々の電気料金に反映してるのはさっき言ったような、長い時間使う電化製品だってわけだよ。
じゃあ、電子レンジやドライヤーをどうにかするよりも、さっき言った家電の使い方を考えた方が節約になるってことだね。
その通り!で、エアコンが一番電気代を圧迫しているわけだけど、エアコンを使わずに暑い夏や寒い冬を越すことはできないよね。
どうしてもエアコンには頼ってしまうんだから、エアコンの電気代自体を節約する方法を身につけた方が良いってわけさっ。
確かにそうだなぁ。でもどうしたらいいの?
簡単なのから言うと。まず、室外機に専用カバーをかけてみてごらん?
室外機は温度が高すぎたり低すぎたりすると電気代が多くかかってしまうから、通気性の良い場所に移すか、それが無理ならカバーをかけることで直射日光を避けることができ、余計な電気代が掛からなくなるんだ。
へー。じゃあカバーは専用のカバーを買えばオッケーだね!
それでももちろんいいけど、高い専用カバーを買って家計を圧迫したら意味がないよね。
100円ショップへ行けば大きめのブルーシートがあるから、それを被せておいてもいいんだぞ。
次に、ありがちだけど非常に大事なこと。フィルターを掃除してみよう。
会社のフィルターだったら掃除するのに、家のエアコンフィルターとなると掃除しないのは何故なんだろうね。
本当は水洗いしてきちんと天日干しにしておくと除菌にもなり良いんだけど、それが手間だったら、掃除機で吸うだけでも良いから絶対にフィルターの掃除はした方がいいぞ。
ホコリを取るだけでエアコンの効きが良くなるし、1年間で約900円近く安くなるんだ。
へぇ~、普通だったら掃除するだけで900円もお小遣いもらえないよ!
エアコンのフィルター掃除ってものすごく大切なんだね!
そうだね。
そして、これも本当に当たり前のことなんだけど、エアコン調節にも気を配らなくちゃいけない。
まずエアコンは「自動設定」にしてごらん。1日中温度は一定じゃないからね。
ひどいときには温度差が10度近く変わる日だってあるし、それをいつまでも同じ調節温度だと、無駄な電気代が掛かってしまうんだ。だから自動にした方が電気代の節約に繋がるんだよ。
さっき言ったように、エアコンの冷房は一番お金が掛かる。
設定温度を1度上げるだけで約10%の電気代の節約になると言われているんだ。暖房時では2度低くすると約10%の節約。夏は28度、冬は21度を目安に生活しよう。
・・・僕、ずいぶん節約(節電)に詳しくなってきたよ。
冷蔵庫には空間を、冷凍庫には詰め込みを
最後に冷蔵庫の電気代を節約する話をしよう。エアコンと冷蔵庫は家電節約術の2大巨頭だ。まず温度調節を「強」から「弱」にしてみよう。これで約20%の節約になるよ。
季節に合わせて夏は強め、冬は弱めに設定するのも大事だね。そして、よく言われる「冷蔵庫は壁に近づけない」というのも実践してみるべきだぞ。
壁に近づけると熱を持ってしまい、余計な電力がかかってしまうからね。だから側面は壁との隙間を2cm以上は作って上には何も乗せずに天井との差を20cm以上は空けて設置しよう。
また、冷蔵庫には物をパンパンに詰めすぎないことも大切なんだよ。
それはどうして?
冷蔵庫内は冷風で食材を冷やしているんだけど、パンパンに物が詰まっていると冷風が回りにくくなって、結果的にムダな電力を消費してしまうんだ。
逆に冷凍庫だったら、凍っている食材同士がお互いを冷やし合ってくれるから、食材を詰め込んだ方がお得だと言われているよ。
まとめ:実践しないと意味がない
僕いっぱい勉強してたのにまだまだ知らないことだらけだったよ!
今回はよく言われている電気代節約術を紹介したけど、知ってるけどやってない、っていうことも多いんじゃないかな?テレビやネットで見て、「へぇ~、こんな節約術もあるんだ。」で終わってしまったら意味がないからね。
どれもそんなに手間がかかるわけじゃないから、今から実践すること!些細なことかもしれないけど、これをきっちりやっていけば、きっと旅行にも行けるよ!
お父さん、お母さんに言って旅行計画……。
あっ、じゃなかった節約の話を薦めてみるね!毎日お金が貯まっていくみたいで楽しいね!