でんりょクラゲ:お父さんに頼らず自分で頑張りたい宇宙人
でんりょクラゲ父:息子の成長を見守る宇宙人
電太くん:誰でもいいから教えてほしい地球人
今回の目次
電気給湯器を上手に活用しよう
……エコキュートなどの電気給湯器だと割引……夜間に電気給湯器などで……ブツブツ
やぁ電太くん!一人でブツブツ言ってるけど何かあったのかい?
でんりょクラゲ!もう、びっくりさせないでよ!
実はね、いろんな電力会社のプランを調べてみたら、電気給湯器ってのがよく出てくるんだけど、これがよくわかんないんだよねぇ。
電気給湯器について知りたいんだね、僕に任せてよ!今日はお父さんに頼らないで僕が全部教えてあげるからね!
でんりょクラゲ!今日はすごい自信満々だね。お願いするよ!
(では私はこっそり見守っておこう)
給湯器ってなに?種類は?
よーし、頑張って説明するからね。まず給湯器はわかるかい?
お湯を沸かす機械ってことだよね?
簡単に言うとそういうことだね。その給湯器が大きく分けたら2種類あって、一つがガス給湯器、もう一つ電気給湯器なんだよ。
他にも石油給湯器や太陽熱温水器、コージェネレーションシステムを利用したものなんかもあるんだけど、一般家庭に普及しているのはガスと電気だね。
なるほど、電気でお湯を沸かす機会が電気給湯器なんだね。
そういうこと!電太くんの家はガス給湯器を使ってるのかい?
ガス給湯器って名前は知らなかったけど、シャワーのお湯を出しっぱなしにするとお母さんに「ガス代がもったいないでしょ」って怒られるから多分そうだね!
電気給湯器とガス給湯器の違い
なるほどね、シャワーのお湯を出しっぱなしにしてるとガスでももちろんもったいないんだけど、電気給湯器を使っている家庭にとってはもっと問題なんだ。
え?どうして?
電気給湯器とガス給湯器では何か違うの?
違うも何も、給湯の仕方がまるっきり違うんだよ。
ガス給湯器は基本的に瞬間式って言って、必要な分を使うときに瞬間的にあっためてお湯にするんだよ。
電太くんの家は、給湯を押して蛇口をひねるとまずは水が出てきて、しばらくしたらお湯が出てくるんじゃない?水が出始めてからお湯に変わるまでの間に温めているんだよ。
そうだけど、どこの家でもそうなんじゃないの?
実はそうじゃないんだ!
電気給湯器は基本的に貯湯式って言って、夜のうちに温めておいたお湯を貯めていて蛇口をひねるとすぐに温かいお湯が出てくる仕組みになっているんだよ。
お湯が温まるのを待たなくていいの?
そんなの最高じゃないか!僕も電気給湯器がいいよ!
ふふふ、そういうと思ったよ。ただね、お湯を貯めているということは、すぐにお湯が出てくるっていう反面、困ったことにもならないかな?
困ったこと?
……あっ!そのたまったお湯が無くなっちゃったらもうお湯を出せないよ!
その通り!電気給湯器は基本夜中に5時間くらいかけてお湯を沸かし、昼間にそれを使うって仕組みなんだ。
だから電太くんみたいにうっかりシャワーのお湯を出しっぱなしにしてたなんてことになったら、いざお風呂に入ろうと思った時、「お湯が無い!」ってことになりかねない。
ひぇ~、それは怖いや。
それは考え方を変えれば、ガスだったらいつまでもガス代がかかり続けるけど、電気なら限度があるっていう風に考えられなくもないけどね。
ただ、給湯量に限界があるってのは電気給湯器のデメリットの一つだね。
デメリットの一つ、ってことは他にもあるの?
うん。他には、水圧が低いってことや、お湯を貯める分、給湯器自体が大きくなっちゃうってとこもデメリットだね。
でも、ガスと違って燃やさない分、給排気設備がいらないから設置場所の制限は少なくなるし、空気を汚す心配がないよね。それに何といっても、電力自由化との相性がいいのが電気給湯器なんだよ!
それは僕も思っていたよ!
電気給湯器はセット割とかもあったし、電気給湯器を設置している家庭しか加入できないプランなんかもあったもんね。
確かにそれもある。
でも、そもそも電力自由化で電気料金が安くなったとしても、電気をあんまり使わなかったら意味がないよね。
ガス給湯器だったら、月々の光熱費である電気代、ガス代、水道代の内、電気代は安くなってもガス代までは安くならないでしょ?
オール電化だったり、電気給湯器を使っている家庭だと、他の家庭の電気代とガス代を合わせたものが電気料金だって考えればいいんだけど、電力自由化でそれがまとめてお得になるって考えたらすごくないかい?
それは確かにそうだね。
じゃあみんなオール電化にした方がいいんじゃないの?
ただ、オール電化にしようと思うと初期費用が100万円~200万円かかってしまうんだ。
総務省の調べによると年間の光熱費はオール電化にすることで約25,000円安くなるって言われてるんだけど、その初期投資をできる人はなかなかいないんだよね。
そりゃあ確かに簡単に変えられるような額じゃないよね。
電気給湯器のことはよくわかったよ!でんりょクラゲもお父さんに負けないくらい物知りなんだね!
そうでしょそうでしょ?なんでも僕に聞いてよね!
エコキュートを徹底解説
じゃあ、エコキュートってのは何なの?
エコキュート……
・
・
・
お父さーん!!!!
やぁ、呼んだかな?
実は、カクカクシカジカで、でんりょクラゲに電気給湯器のことを教えてもらったんだけど、エコキュートについては知らなかったみたいなんだ。だから教えてほしいんだ!
へぇ、そんなことがあったんだねぇ。今の話を聞いていると、電気給湯器の説明は問題なさそうだ。(本当は最初から全部聞いていたんだけどね。)
じゃあエコキュートについて説明しようか。
エコキュートは他の電気給湯器と違うの?
さっき電気給湯器の話は聞いたんだけど、エコキュートと他の電気給湯器とは何が違うの?
どっちもガスを燃やすんじゃなくて電気でお湯を沸かすって意味では同じなんだけど、エコキュートは電気だけじゃなくてヒートポンプを使って外気の熱も利用するっていうのが一番大きな違いかな。
ヒートポンプってのは、エアコンでも使われてるやつだよね?エアコンだと空気中の熱を集めて暖房の熱に利用するから、エコキュートは空気中の熱を集めて給湯に利用するってことだね。
ってことはどうなるの?
お湯を沸かすのに必要な熱量を、電気だけで作るか、電気+外気の熱で作るかどっちが省エネなのかは考えるまでもないよね。エコキュートの消費電電力は従来の電気給湯器の約1/3だと言われているんだ。
省エネってことは電気代が安くなるだけじゃなくて環境にも優しいから、CO2の排出量を減らしたい政府がエコキュートを設置する家庭に一時期補助金を出していたほどなんだよ。
じゃあ、電気だけじゃなくて外の空気の熱も利用してお湯を沸かす省エネな電気給湯器がエコキュートなんだね。
もう少し詳しく説明すると、ヒートポンプの冷媒にフロンではなく二酸化炭素を使っているもののことなんだ。
でも、あんまり詳しく説明すると長くなっちゃうから正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」って言うんだよ。みんながよく口にしている「エコキュート」って名前はニックネームみたいなもので、関西電力の登録商標だね。
へぇ〜。じゃあ、そのエコキュートを上手に使うにはどうしたらいいの?
エコキュートに適したプラン選びを!
エコキュートを含めた電気給湯器は約5時間~8時間かけてお湯を沸かすんだけど、当然この間は電気代がかかるよね?じゃあお得に使うにはどういうプランがいいと思う?
電気給湯器は深夜にお湯を沸かす、ってさっきでんりょクラゲが言ってたから、深夜に電気料金が安くなるプランがいいんじゃないかな?
その通り!
だけど、そんなことはオール電化の家庭や電気給湯器、エコキュートを使っている家庭は既にどこもやっていることなんだよ。
ただ、深夜の電気料金が安くなるプランは1種類じゃないんだよ。ただ単に昼間が高くて夜が安いってだけのプランもあれば、季節によって昼間の値段が変わったりするプランだってあるんだ。
深夜料金が安くなるって一口に言っても、深夜が23時~翌7時の8時間だったり、1時~9時の8時間だったり、半日丸々深夜料金だったり、1時~6時の5時間だけが深夜料金だったりバラバラだもんね。
もちろん半日丸々深夜料金になるプランだったら割引される量は少ないし、逆に5時間だけのプランは深夜料金はすごく安いし、っていう風に、縛りが強ければ強いほど割引額も大きくなるね。
じゃあ今のプランをもう一度見直した方が良いってことだね!
それもあるし、今後は大手以外の会社でもオール電化住宅向きのプランやエコキュートなどの電気給湯器を設置している家庭向きのプランも増えてくるだろうから、電力会社自体の見直しも必要かもしれないね!
季節によってモードを使い分けろ!
プラン選び以外に気を付けることは無いの?
もちろんあるさ!電太くんのようにガス給湯器を使っていない人にはあまピンと来ないかもしれないけど、エコキュートには省エネのためのモードがあるんだよ。
エコキュートを含めた電気給湯器は貯湯式って言って、沸かしたお湯をタンクに貯めてそこから給湯するんだけど、貯めていた分が少なくなると日中でも沸き上げをするしかないよね。
省エネモードにしておくと沸き上げるのに時間はかかるんだけど、その分省エネになるっていうモードだね。
基本的にはこのモードが一番省エネで電気料金も安いんだけど、例えば冬場のお湯をいっぱい使う時期なんかは、省エネモードで日中に沸かし直すよりも、最初から湯量を増やしておく方が安くつくこともあるんだ。
なるほど!
夏は省エネモード、冬はたくさんお湯を沸かすモードにしたらいいんだね!
ただこれは一概には言えないから、季節だけじゃなくて、各家庭の事情に合わせて使い分けるのがおすすめだよ。
自動沸き増し機能は便利だけど……
それからね、エコキュートの機種によっては、「自動沸き増し機能」が付いているものもあるんだよ。
自動沸き増し機能?
タンクの中の湯量が少なくなると、自動で沸き増しをしてくれる機能でね。
沸き上げるのにはある程度時間がかかるから、湯量が減っているのにうっかり気づかなかったら、いざ使いときにお湯が使えないってことにもなりかねない。
この自動沸き増し機能はそれを未然に防げるとっても便利な機能なんだけど、エコキュートを使っている家庭は基本、深夜に電気料金が安くなるプランで契約しているはずだから、できればお湯を沸かすのは深夜にやりたいんだ。
だから、もし日中にこれ以上お湯を使わないことがわかっていたのなら、自動沸き増し機能を切っておくこともお得にエコキュートを活用する一つの手段だね。
はぁ、なるほど。便利だからって絶対にそれを使うのが良いってわけじゃないんだねぇ。
そうそう!
あと、ピークカット設定ってなかったっけ?
いいところに気が付いたねぇ。
深夜に電気料金が安くなるプランには、単純に昼と夜だけで電気料金を分けるんじゃなくて、昼間の中でも夏場の13時~17時の4時間をピークタイムって言い、特別に高くなっちゃうプランがあるんだ。
これは日中、家を空けている家庭におすすめのプランなんだけど、午前中の時点でお湯を使い切ってしまった場合、自動沸き増し機能が働き、ピークタイムに電気をたくさん使ってしまう可能性があるよね。
だから、ピークタイムにはお湯が少なくなっても自動沸き増しをしないっていう設定をしなくちゃいけないんだ。(そういう設定があるということ)
このように、特別なプランで契約しているご家庭は、特にこの機能に注意しよう!
まとめ:プランや機能を見直して上手に活用しよう
あーあ、今日はお父さんに頼らずに説明しようと思ったのになぁ。
でも電気給湯器の話はよく分かったよ!
ありがとう、でんりょクラゲ!
電太くん……
でんりょクラゲは、電力自由化のことには詳しいけど、地球のことはまだまだ知らないからね。
かく言う私だってまだまだ知らないことだらけなんだ。みんなで少しずつ学んでいこうじゃないか!